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 狂言 
能と同じ舞台で演じられる狂言は、明瞭な科白(せりふ)、軽快で派手な動きで親しみやすいものです。
狂言の本質は喜劇で、コメディーの元祖と位置付けてもいいでしょう。
そして人間の心の奥に潜む愚かさ、ずるさや尊大さをからかい、憐れむものを笑いで演じます。
太郎冠者(たろうかじゃ)は大名の家来役で、狂言に登場する人物では最も有名です。主人の大名を批判したり、へまをして叱られたり、横着な性格のため失敗したりとごくごく庶民的な役回りで罪のない笑いが演じられます。主人の大名も人の良さがにじみでていて、太郎冠者とのやり取りの中に笑いを含んでいます。
その他に聟(むこ)、嫁、鬼、山伏、僧侶、座頭なども登場します。
新婚に際して世間知らずの聟(むこ)が引き起こす失敗、気性の激しい嫁が亭主をないがしろにする恐妻をモチーフにしたもの、鬼や山伏といった一見強者と思われがちなものが見掛け倒しであったり、僧侶や座頭の知識階級者が身分をわきまえない浅はかなふるまいを行なったりとそれぞれの話の中に人間性に溢れた可笑しみを取り入れています。
これらは現在にも通じるところが大いにあり、狂言を身近に感じることでしょう。

参考文献「能をあなたに」(檜書店発刊)


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